専門用語解説「同時発音数」とは?


専門用語解説「同時発音数」とは?

電子ピアノのカタログに最大同時発音数という記載があります。

この同時発音数というのは、文字通り
鍵盤を弾いた時に同時に出せる音の数ということです。

例えば、同時発音数が64音の電子ピアノだとしたら、
64の数の音が同時に出せる電子ピアノだということです。

しかし、ここでポイントなのが、電子ピアノの場合
弾いた鍵盤の数=音の数ではないということです。

どういうことかというと
まず電子ピアノの音はステレオ再生ですので
単純にいえば指一本で一つの鍵盤を弾いた時
右と左のスピーカーから音が出ます。
つまり、弾いた鍵盤の数×2の音が出ます。
10本の指で弾けば、発音数は20となるということです。

さらに、ダンパーペダルを使い、音を伸ばし続ける演奏をすると
その鍵盤を離した後も音が出続けています。
その長く伸びた余韻の音も発音数に加算されます。

電子ピアノの発音数は64音~128音辺りが多いですが
それほどの数の発音数が必要なのは、そういう理由からなのです。

では、同時発音数が少ないとどうなるかというと、
この数を超えると、最初に出た音から順番に音が消えていきますので
音が不自然に切れてしまい、演奏がなめらかに聴こえません。

特に上達した時にダンパーペダルを使う演奏が増えますから
ピアノ中級者以上になってくるとより気になるポイントとなるでしょう。

同時発音数も多いにこしたことはありません。
256音もの同時発音数がある最上位クラスの電子ピアノでは、
どんな高難易度の曲も音切れなく演奏できます。

ただ、初心者から中級者までの方でしたら
64音~128音ほどの同時発音数があれば
通常の演奏で違和感を感じることはあまりないと思います。

下位のモデルで64音、中位のモデルで128音、上位のモデルで192音
最上位モデルで256音というのが現在のところの基準だと思います。